ゴルフボールが曲がるのはDプレーンとして科学的に証明されています。

ブログ

以前

ボールはどうして曲がるの? スライスやフックを治すには? その答えはDプレーンが全て。

というブログを投稿しました。

つい最近こんなご質問を承りました。

シュミレーションゴルフに行ってきたんですが、なんかいっぱい数字が出てきたんです。でも全然意味が判らないので教えてください。

っと。

最近のシュミレーションゴルフのシステムは、とても優れています。

そりゃ、判らんのでしょうね。

Dプレーンが関係していますから。

進歩しすぎてしまい追い付けなくなっていますからね。

TPITitlist Performance  Institute】(タイトリストパフォーマンス研究所)のGolf Level 2認定者は、ゴルフボールが生む弾道の原理を勉強します。弾道解析を全て理解しています。

さらに僕は、Flight Scope Japan オフィシャルアンバサダーなのでこの数字が何を意味しているのかを瞬時に伝えることが必要なのです。

PGAティーチングプロAのゴルフレッスン。初心者から100切り・上級者やプロゴルファーまで、レーダー弾道測定器Flight  Scope(フライトスコープX3TPI G2(タイトリストパフォーマンス研究所GOLF レベル2認定)、モーションキャプチャーMATOUS®︎ 、そして新たにビジョントレーニングを使いサクッとおいしいゴルフのつくり方を伝えます。

Dプレーンの知識

皆さんは、Dプレーンとは何かご存知ですか?

最低でも3つは覚えていてください。

・何がボールの打ち出し方向に関係しているのか?
・何がボールの曲がりを関係しているのか?
・何がボールの飛距離に関係しているのか?

実は、逆に言えば、上記の3つが完璧に答えられるレッスンを受けてたことがありますか?

もはや、Chat  GPT−4では、当然に調べがついています。

確認済みです。

しかし、なぜ間違った情報が今でも残っているのでしょうか?

以前こんなことを言われたことがあります。

ドライバーでバックスピン量が2000回転ぐらいが良いんとちゃいますか?

えっ

ヘッドスピードが40m/sの人がこの回転数ならドロップしてしまいます。

何がボールの打ち出し方向に関係しているのか?

まずは、クラブフェースの向き(フェースアングル)とクラブパスです。

アイアンの場合は、約75%がフェースアングルと25%のクラブパスで決まります。

ドライバーの場合は、約85%がフェースアングルで15%のクラブパスで決まります。

例えば、フェースアングルが2度左(L)、クラブパス6度右(R)としましょう。打ち出し方向へは25%しかクラブパスが影響しないので、計算式は:

フェースアングル:(2 x 0.75 = 1.5)  フェースアングルは、 1.5度左
クラブパス:(6 x0.25 =1.5) クラブパスは、1.5度右
• 2つを合わせること(1.5 + 1.5)。つまり0。打ち出し方向の結果は、まっすぐとなります。

但し、ちなみにボールは左に曲がっていきますし、スピンロフトが少ないほどフェースアングルが打ち出し角に与える影響は大きくなります。これは後ほど解説します。

フェースアングルについて

アイアンでは約75%、ドライバーでは約85%が打ち出し方向に関係すると言うものの、これは実はスウィートスポットで当たった前提です。

では、スイートスポット以外で当たった場合はどうなるでしょう。

基本的には、ヘッドの重心が関与してきます。

アイアンでは、簡単に言うとトゥに当たると右に打ち出されます。ヒールなら左にと言いたいところですが、シャンクしちゃいます

ドライバー・フェアウェイトウッド・ユーティリティー(UT)の場合はちょっと違います。

確かにトゥに当たれば右に打ち出されますが、ギア効果で左へ曲がっていきます。ヒールに当たれば、左に打ち出されて右に曲がってきます。

これは、バルジと呼ばれるフェースの左右曲面があるからこその利点ですが、実は、これにも罠があります。

バルジは平均で半径11インチ(27.5cm)の円と同じ曲面をしています。ちなみに、T社のツイストフェースは

基本的ですが、1/2インチ(1.25cm)トゥよりにヒットすると2.6度右に飛び出してしまうんです。その後、ギア効果で左に曲がってくるんですが、もしインパクトでフェースアングル 2.6度左を向いていながらトウに当たっていると打ち出し方向はまっすぐに飛んでいくことになりますが、ついでに左に曲がっていくことになるんです。

もしこれでスイートスポットに当たってしまうと

2.6×0.852.22度左に飛んでいくので悪しからず。

クラブパスについて

クラブパスに影響する3大要因としては

Hプレーン「ターゲットに対してのヘッド重心位置の軌跡の方向」
入射角「クラブヘッド重心位置のインパクト時の上下方向の移動方向」・
・バーチカルスイングプレーン「地面に対してのヘッド重心位置の軌跡の角度」

があります。

ちょっと難しいでしょ〜

Hプレーンとは、入射角が0(最下点でインパクト)の場合、クラブパスはHプレーンと同じで0となります。これを基本にしてみると、入射角がダウン(最下点より手前でインパクト)した場合、クラブパスは右(R)に向くと表示され、逆にアッパー(最下点より上がり側でインパクト)をすればクラブパスは左(L)と表示されます。

しかし、このクラブパスはアイアンでは約25%、ドライバーにおいては約15%しか関与していません。よっぽどつまり6度くらいになれば弾道に影響しますが、考えすぎもどうかと思います。

これは動画を見てもらった方が良いかな〜

バーチカル・スイング・プレーンというのは、7番アイアンでは、60度から63度の間でHプレーンは入射角の半分の数値になります。

例えば
・入射角が−5(ダウンブロー)の場合、Hプレーンは2.5度左でZero Pathになります。
・入射角が+5(アッパー)の場合、Hプレーンは2.5度右でZero  Pathになります。

では、ドライバーでのバーチカルスイングプレーンは45度であれば、Hプレーンは入射角と同等になるんです。

例えば
・入射角が−5(ダウンブロー)の場合、Hプレーン5度左でZero Pathになります。
・入射角が+5(アッパー)の場合、Hプレーンは5度右でZero  Pathになります。

例:選手1 – ドライバースイング:
フェースアングル = 2.6度左 クラブパス = 0
ボールが当たる位置: 1/2インチヒール方向へ アタックアングル = -4
バーチカルスイングプレーン = 45度
Hプレーン= 4度左

例:選手2 – ドライバースイング:
フェースアングル = 2.6度左 クラブパス = 0
ボールが当たる位置: ど真ん中 アタックアングル = +2
バーチカルスイングプレーン = 45度
Hプレーン = 2度右

例:選手3 – ドライバースイング:
フェースアングル = 2.6度左 クラブパス = 0
ボールが当たる位置: 1インチトー方向へ アタックアングル = +5
バーチカルスイングプレーン = 45度
Hプレーン = 5度右

例:選手4 – ドライバースイング:
フェースアングル = 2.6度右 クラブパス = 0
ボールが当たる位置: 1/2インチヒール方向へ アタックアングル = -2
バーチカルスイングプレーン = 45度
Hプレーン = 2度左

て言う感じです。

何がボールの曲がりを関係しているのか?

スピン軸とバックスピンの影響とオフセンターヒットによるギア効果でスピン軸の傾きも変わります。

ちなみに、ドライバーでディンプル1個(3.55mm)のズレで5.5度傾き、250y先では12y曲がりになります。
アイアンでは、ディンプル1個で2度傾き150yで2.5yの曲がりになります。

ちなみに2度以内の傾きならストレートと言っても大丈夫ですよ!

スピン軸

スピン軸の傾きによってボールが曲がっていきます。軸の傾きは2次元上の向きです。またフェースアングルとクラブパスの差異(FTP)によってもスピン軸が傾いたり、オフセンターヒットによってもスピン軸は傾きます。

基本的には、スピン軸の傾きはフェースアングルとクラブパスの差異によって作り出されます。

・パスよりフェースが開くと軸は右に傾く。
・パスよりフェースが閉じていると軸は左に傾く。
・ボールの曲がりの大きさはスピン軸よりボールスピードの方が影響します。

昔はサイドスピンと言われていたこともありましたが、ボールが曲がる原因はこのスピン軸なのです。

一番イメージしやすいのは、飛行機!

飛行中は、左右に傾いて曲がっていきますよね。

飛んでいる物体、ほぼ同じ原理で曲がっていくのです。

ギア効果

先ほども述べましたが、ギア効果でスピン軸も変わります。

バルジのおかげで戻ってくるのですが、アイアンの場合はほとんどバルジが無いため残念ながらボールは帰ってきません。

なので特にアイアンに関しては、スイートスポットでインパクトをする練習が必要になってきます。

当然、Flight Scope FS GOLF アプリでは、フェースインパクトが判るので楽ですが、

市販のショットマーカーなどでも判ります。

もっと言えば、どこに当たっているのかが判っていないと全く違うエラーと勘違いしてもっと調子が悪くなったりしてしまうことになります。

必ず、専門家の指導を仰いでください。

何がボールの飛距離に関係しているのか?

さて、皆さんの一番の興味があることだと思います。

ちょっと、こんな要因でも変わってしますってご存じですか?

気圧・気温・湿度・風

これだけでも飛距離に影響が出てしまいます。
例えば、気温。暑すぎても寒すぎても飛びません(笑)
25℃を標準に、そして気圧は1013hPaで測定します。

ちなみに、これもFlight Scope X3 VXアプリであれば、色々と参考値をご覧にいただけます。

では、本題です。

飛距離の三大原則

・バックスピン
・打ち出し角
・ボール初速

当たり前すぎる答えでしたが、本当にご存じですか?

結果的には、もう既にデータとして出ているんです。

ヘッドスピード40m/s、ボール初速58.5m/sとした場合、打ち出し角は14°~16°でバックスピンは3,500~3,800rpm、この状態でキャリーが200yなんです。

先ほどのバックスピン2,000回転というと、
ヘッドスピードが58m/s、初速85.5m/s、打ち出し角8.5~10°でキャリーが

330

となってしまいます。

アマチュアゴルファーでは、ほぼ無理な数値ということが判っていただけますか?

私達、TPIゴルフレベル2認定者はT社のPGA・LPGAツアーの平均データも持っていますし、
僕の場合、Flight Scope JAPAN Officialambassadorですので、詳細データも把握しています。

どれだけ間違った情報が錯綜しているのか。

バックスピン

バックスピンに影響する要素は5つ。

・ダイナミックロフト
・入射角
・ヘッドスピード
・インパクトポジション
・クラブフェースとボールの摩擦

です。

ダイナミックロフトと入射角でスピンロフトがほぼ決まります。

例えば、ダイナミックロフト=12°としましょう。
入射角-3°(ダウンブロー)スピンロフト=12°−(ー3°)=15°
入射角+3°(アッパー)スピンロフト12°

となります。

スピンロフトが1度変わることによるスピンの増減は、
ドライバーでは、ヘッドスピード40m/sで207rpm
アイアン(7番アイアン)では、ヘッドスピード40m/s(これはかなり早い)で270rpm
も変わってしまうんです。

僕の場合、今のドライバーのヘッドスピードは、平均で45m/s、ボール初速はおよそ平均66m/s、ダイナミックロフトは平均16°で入射角は+1°を目標値にしています。
その結果、バックスピン量は3,100rpmという数値で飛ばしています。

先日、友人とラウンドしていた時、

お前のボールの弾道高いな~

って言われました。その時は飛ばしたかったのでワザと。
その裏技は後ほど。

ダイナミックロフト

ダイナミックロフトってどこを基準に考えていると思います?

当然、インパクト時でのロフトでのフェースの芯で捉えた時ですよね。
では、フェースの上部と下部に当たった場合はどうなると思います?

これは、ドライバーやフェアウェイウッド、ユーティリティーにのみのことですが、先ほどお伝えした「バルジ」がありましたが、

「ロール」と呼ばれる上下曲面があり、上部に当たればダイナミックロフトが増え、下部に当たればダイナミックロフトは減ります。

ですので、フェースインパクトが必ず大事なんです。

フェースインパクトは、次の場合でも必須になってきます。

打ち出し角

ボールの方向は、フェースの影響がドライバーの場合約85%、アイアンでは75%関与しているとお伝えしました。

当然、スイートスポットでのインパクトでは、打ち出し角は正しいダイナミックロフトになると思います。

しかし、上部や下部でインパクトをすればドライバーの場合、約85%関与してくるのでこれもまた変わってくるということです。

僕の場合、オフセットインパクトすると、平均ダイナミックロフト16°、入射角が+1°ですが、
16°×0.85=13.6°になってしまいます。

これが、上部で当たっているということは、入射角がダウンブローになっている証拠。
下部に当たるとアッパーになりすぎている証拠です。

ただ、それだけ入射角が違うということは、次の項目で有利になるということです。

チョロとかテンプラは、論外ですが…

ギア効果

またまたギア効果です。

結論から言いますと、

フェースの上部に当たるとスピンが減り、下部で当たるととスピンは増えます。

コレも実はギア効果。「ロール」がそうさせています。

先ほど打ち出し角のコトについてお話ししましたが、上部に当たると打ち出し角は13.6°にはなりますが、バックスピンが減少して結果的には良くランが出る弾道になり、逆に下部であれば同じく13.6°になりますが、バックスピンが増加するので結果的にはそれなりの高さで飛んで行くコトになるんです。

高さ

皆さんは弾道って、左右のことばかり気にしてませんか?

低い弾道、高い弾道それぞれ打ち分けるコトってできますか?

ボールの高さは技術の高さ

そのモノです。

ただ、通常の場合、見なくてはいけない項目があります。

それは、パター以外のフルショットでは、どのクラブであれ最高到達点はほぼ同じ高さなんです。

58°だからとかドライバーだからとか関係無しで弾道の最高到達点は、ほぼ同じ高さに揃っているコトが重要なんです。

えっなんで?

この話、長くなります。ただ、計算すればなるほど〜になります。

でも、ヘッドスピードによっても高さは変わります。

まとめ

弾道解析はもはやDプレーンを理解していないとただの数字の羅列に過ぎなくなります。

確かに一般的には必要としないデータもあるでしょう。

ただ

・何がボールの打ち出し方向に関係しているのか?
・何がボールの曲がりを関係しているのか?
・何がボールの飛距離に関係しているのか?

これは、データに基づいたゴルフをコーチングする上で必ず必要なことです。

これからのインドア・シュミレーションゴルフなどの時代には、そのデータを読み取れるスキルも求められていると言うことです。

ただ、僕は思います。

デジタルとアナログどちらも使いこなすコーチングが、本体の自然体だと思います。

そしてChat GPT-4はこのように答えています。

Dプレーンの理論はゴルフスイングの理解に有用なツールであり、その知識はゴルフの技術向上に役立つ可能性があります。しかし、全てのゴルフレッスンがDプレーンについて教えるわけではありませんし、必ずしもゴルフレッスンでDプレーンを理解しなければならないわけではありません。

初心者や一部の中級者の場合、スイングの基本的な要素(例えば、グリップ、スタンス、ボディの回転など)に焦点を当て、それらの技術を理解し練習することがより重要かもしれません。この段階では、Dプレーンの詳細な理論を理解するよりも、スイングの基本的な要素を体得することが重視されます。

一方、中級以上のゴルファー、特に競争的なレベルでプレイを目指すゴルファーの場合、Dプレーンの理論を理解することは、ショットの精度と一貫性を向上させる上で役立つ可能性があります。Dプレーンの理解は、スライスやフックなどの問題を解決するための洞察を提供し、また、ドローやフェードなどの特定のショットを意図的に打つための技術を習得するのにも有用です。

したがって、Dプレーンについて学ぶかどうかは、ゴルファーのスキルレベル、目標、そしてゴルフの理解を深めたいという個人的な興味によるところが大きいです。ただし、無理にDプレーンの理論を理解しようとする必要はなく、自分のスキルレベルと目標に適した指導を受けることが最も重要です。

僕もそうだと思います。