ちょっと頭を使う話です。
慣性モーメント(MOI)ってご存知ですか?
MOIは、この最近クラブMOIを測定したり、注目されていたりしていますが、スイングにも当然、慣性モーメントが発生します。
- シャフト回りのクラブヘッドの慣性モーメント
- 体の回転軸周りの腕・クラブの慣性モーメント
- 上半身の慣性モーメント
- 下半身の慣性モーメント
ゴルフをする上では、慣性モーメントを知らないと何もできないって言っても過言ではありません。この4つの慣性モーメントが、ボールを出来るだけ真っ直ぐに、より遠くに飛ばすために必要なんです。
知らない人は、高校の物理の教科書に載っていますのでご覧ください。
では、1つずつ解説していきましょう。
ここでは、1プレーンスイング・2プレーンスイングにおける慣性モーメントの解説をしたいと思います。
2プレーンスイング
クラブヘッドに軌道が及ぼすスイングとして、慣性モーメントが小さいスイングはどちらでしょうか?
正解は、2プレーンスイングです。
クラブを腕を主体にし上下運動によるスイングしているので、円運動からすると水平投射面積は、小さくなるということです。
ということは、素早くスイングできるということで飛距離に反映しやすいということです。
この慣性モーメントに体(上半身と下半身)が追いていかなければ、当然にボールは曲がるということです。
では、上半身と下半身のどちらが慣性モーメントが小さいでしょうか?または、どちらが水平投射面積が小さいでしょうか?
正解は、下半身です。
なぜなら、足首ならめっちゃ面積が小さいということですし、骨盤も同じことです。
ということは、下半身は、そんなに動かさなくても素早く回転できるということです。
上半身は、慣性モーメントが大きい為に早く回転させる必要があります。
しかしながら、上半身の回転を速くするにも限界があります。
そのため、2プレーンスイングでは、ダウンスイングの始まりで、腰をちょっとだけターゲット方向にスライドすることにより、上半身の回転を下半身の回転に追い着かせることが必要なのです。
では、下半身≒スタンスを広くしたら良いじゃないか!
と思われるでしょうが、スタンスが肩より広くなってしまうと結果的に下半身の慣性モーメントが、今度は、上半身≒肩より大きくなってしまうため回転するスピードが落ちてしまいます。
あくまでも、下半身と上半身の回転始めのタイミングと速度は、等しくなければダメだということです。
そのため、2プレーンスイングでのスタンス幅は、基準として、肩幅≒足の外側部
であるということです。
ただし、あくまでも基準です。その人のパフォーマンスによっても変わりますので…
2プレーンスイングの人に、腰を切れまたは廻せというアドバイスをしてしまうと、必ずボールは曲がり、腰により負担をかけてしまいます。
1プレーンスイング
では、1プレーンスイングでは、どのような慣性モーメントが働くのでしょうか?
クラブヘッドの起動は、1プレーンスイングでは、2プレーンスイングに比べて水平投射面積が広くなり、回転するスピードが遅くなってしまいます。
しかしながら、2プレーンスイングは、下半身と上半身の回転始めのタイミングと速度は、等しくなければダメだという事を考えると、リズミカルにスイングを行わなければ再現性のあるスイングができないということでもあります。
1プレーンスイングの場合、その慣性モーメントのおかげで、体(筋肉)の使い方を間違わない限り、より安定した再現性の高いスイングが可能であるとも言えるのです。
1プレーンスイングは、体を捻じる(コイリング)ことを主においています。
捻じるということは、上半身と下半身のどちらかを捻じること。
スイングスピードは、この捻じることにより、元に戻そうとするスピードを利用しているわけです。
バックスイングからトップ・オブ・スイングで作られた上半身と下半身から生じる捩れを如何に早く解放できるのかが重要になるのです。
前記を思い出してください。上半身と下半身の慣性モーメントのどちらが小さかったでしょうか?
そうです。
下半身でしたよね。
じゃあ、下半身をより素早く回転させればスピードが上がる?
そうじゃないんです。
下半身は、勝手に回転してしまうのですから、ちょっとしたきっかけの動作さえしてしまえば、全く簡単に元に戻ってくるのです。
しかもトップオブスイングで上半身は、最大約90度、下半身は最大約45度コイルされています。
つまり上半身(肩)は下半身より最大約45度大きくネジられています。
つまり下半身が先に回転し始めると上半身は、永久に追いつかないことになります。
上半身が、下半身に追いつき追い越さなければ回転速度が上がらずに、プッシュが出てしまうのです。
アーリーエクステンションがそのひとつ。
それが嫌で、過度のフェースローテーションを行い、フックがキツくなり、やがては、腰痛になってしまいます。
そのことから、スタンスは、肩幅よりも広くしておかないと良い結果が出ないということです。
言葉にすると、
頭が沸騰
すると思いますが、
レッスンを受けていただければ、すぐにご理解していただけると思います。