コーチの仕事とその重要性①

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コーチの仕事

吉川師が以前、伝えてくれました。

スポーツのパフォーマンスを上げるためにコーチの存在は重要な意味を持ちます。高い運動能力を持つアスリートもいいコーチを持たなければ100%のパフォーマンスを発揮できません。高いパフォーマンスを実現するためになぜコーチが必要なのか、例えばゴルフを例にとってみてみましょう。コーチを必要とするのは主に次の2 つの理由からです。

  1. プレーヤーは自分がどんなスイングをしているかを見ることができないため、問題点を見つけることができない。問題点が分かってもそれを矯正するための動作を自分のスイングに取り入れることができない。
  2. 正しいスイングとは論理的な裏付けのあるスイングで、客観的な評価から判断しなければならない。プレーヤーは自分のスイングに対して客観的な判断はできない。

つまり、より良いスイングを手に入れるためには、自分の動きを論理的に且つ客観的に観察し、分析して問題点を洗い出し、正しい動きに矯正する手助けをしてくれるコーチが必要なのです。

ある番組で全美貞がインタービューで「なぜ韓国のプレーヤーは強いのか」という質問に答えていました。「日本のプレーヤーはいい球を打つことを練習していますが、韓国のプレーヤーはいいスイングをする練習をしています。」というのが答えです。

この決定的な違いをよく考えてほしいのです。いい球を打つことは結果です。結果を追いかけても根本的な問題解決にはなりません。正しい原因(スイング)があってこそ正しい結果(打球)が生まれるのです。スイングの基本(正しい原因)を積み重ねることによって正しい結果(打球)が得られるわけで、基本が最も大切となります。

また多くのプレーヤーはゴルフの上手い人に習おうとします。ここにも落とし穴があります。うまいプレーヤーは感覚的にいい球を打つ術を身に着けていますが、感覚が上手く言葉で伝えられる能力がないとコアな内容は相手に伝えられません。

ましてやその感覚に論理的な裏付けがないと相手は納得しません。またそのプレーヤーは他人のスイングを経験していませんから、自分のスイングの感覚しか伝えられませんし、それが相手に合っているかどうかは判断できません。名プレーヤーが名コーチになることは稀である、ということになります。

1991年世界陸上競技選手権大会東京大会で100m を人類初の9秒8 台(9 秒86、当時の世界記録) で走ったカール・ルイスのコーチはルイスほど早くは走れません。1985 年に棒高跳びで人類で初めて6mを超えたセルゲイ・ブブカのコーチは棒高跳びはできませんでした。(ブブカの記録6m14cmは世界記録。現在も6m7cm を超えるポールボールターは出ていない。)タイガー・ウッズに26勝(うちメジャー6勝)させた名コーチ、ハンク・ヘイニーはタイガーには絶対勝てません。

これらのコーチに共通していることは、相手に明確な目標を設定させ、論理的に正しい動きをさせ、繰り返し精度の高い動きを継続させるように導いたことです。まさに我々の仕事の真髄はそれなのです。そして皆さんの「こうなりたい」という夢をかなえることがコーチの究極の目的なのです。

僕の場合

PGAのティーチングプロとしてレッスンを開講していますが、TPI(タイトリストパフォーマンス研究所)認定者でもあり、認知行動療法や大脳生理学を活用して、どう伝えてらいいのか?それも、ゴルフを始める人・100を切りたい人・90を切りたい人・80を切りたい人・そしてプロやプロになりたい人、それぞれに客観的に伝えなければなりません。

要は

原因を明確に指摘でき、その症状を的確に修正できる技量が必要になるということです。

理論に基づき、TPIや心理学等を理解していることで、互いの意思疎通をしながら修正することが必要なんです。

あ理由もわからず言われるがままでは、人間は動きません。

何故!?

なるほど!

に伝えることができる説得力のある理論的な指導が必要です。

無駄で結果の出ない時間は、必要ではないと思います。

ちなみに、僕自身もは、メンタルコーチにカウンセリングやコーチングを依頼していますし、フィジカルケアもコーチがいます。

自分の事は自分では解決できません。
コーチングをしてくれる、すなわち導き出せる人が必要です。

ある疑問に直面しました。

アベレージゴルファーやビギナーゴルファーの多くの方たちは、その日のラウンドのご自分の全ストロークを覚えていないことに気づきました。
アスリートゴルファーの多くは、その日のラウンドのご自分の全ストロークを覚えているのです。
  • 全ストロークの傾斜やライ
  • ホールロケーション
  • ピンの位置
ほとんど全て覚えています。
そして、全ストロークのボールの弾道、転がりさえも覚えています。
ではなぜビギナーやアベレージゴルファーが覚えていないのでしょうか。
余裕がないから?
それもあるかもしれません。
しかしそれなら、バンカーの脱出に失敗したり、ドライバーが曲がったり、空振りをしたりなどを僕に伝えることができないはず。
実際は覚えているのです。
ただ、どうしてそうなったのか?
を覚えていないのです。
では実際に覚えているはずのショットが、思い出すことができないって言う事は、心理的にはどうなっているのでしょうか。
結果的には、解離しているのです。
嫌な記憶にフタをしているだけに過ぎないのです。
フタをしていると言う事は、フィードバックすることができません。
フィードバックができないと言う事は、問題を認識し解決へと導くプロセスさえも閉ざしてしまうのです。

トラウマ

まさにそれなのです。
バンカーに入った瞬間出る気がしない。
そして当然に脱出できない。
アプローチの瞬間シャンクが出てしまう。
そして当然にシャンクをする。
1メートルのショートパットの瞬間、手は震え、バックスイングが上がらず
そして当然にカップにかすりもしない、届かない。
すべて
イップス
トラウマ現象です。
人は
経験から学ぶことしかできません。過去から経験することができますが、未来から経験することはできません。
その過去の経験を思い出すことができると、苦手なことや嫌なことを治そうと解決への道を見出すのです。解決へと導くための目標とはいかなるものでしょうか?それは、自分で決めた目標なのです。ご自分がゴルフにおける価値観だと思います。ゴルフと仕事どちらが好きか?
ゴルフが好きと答える方は多いと思います。

しかし
何故、レッスンを受けていたとしても覚えることが難しいのでしょうか?

それは執拗としていないからです。

仕事をしないとお金がもらえない
だから、仕事を覚えなければならない。

ゴルフは趣味であり
できなくても良いとどこかで思っているのです。

仕事で失敗したら落ち込んでしまうのでしょうが、ゴルフで失敗しても「まっ いいか」と思えてしまう。

執拗に攻められていないからです。

レッスンを受けて覚えたはずなのにと思っていても実際には覚えていないのです。

レッスンをしていてこんなことがあります。

ダブりを無くしたいとの質問に対して、ココを治せばダブりが無くなりますよと伝えたとしましょう。

しかし
ご本人は、そこではないと思い込んでいるいるのでいくらやっても治らない。

要するに納得していないのです。

僕は、必ずレッスンをする時にスイング動画を録り、ご自分のスイングの修正箇所を発言して頂きます。

色々な箇所をおっしゃいます。

その数カ所の修正箇所の中で最も自分で気になる項目に関して修正を試みます。そうすると、納得して修正を試みようとします。

初めはできなくて、イライラされるので、再度スイング動画を録り、できているかできていないかを確認して頂きます。

そうしてであれば、根気強く修正をされようとするのです。

その結果、ココを治すことよりも、僕が指摘したところを治す方が簡単でしかも、楽しく練習できることに認識される場合があります。

要するに、納得をしなければ、いくら僕が勧めたとしても修正しようとは思わないということなのです。

自分のスイングを分析し目標を自分で見出さなければ、修正しないということなのです。

また、自分のスイングのどこがおかしいのかが判らない人もいらっしゃいます。

その方には、ゴルフスイングとはと質問します。

何項目か自分でお答えされます。また、その項目で重要なことを必ず上げられます。

それを自己解決へと導いていくのです。

そうすると、自分で納得されるので練習に励まれるのです。

人間の心理とは面白く、恐ろしいものです。

自分の行った事には、責任を持ってしまうのです。

誰しも謝りたくはないでしょう。

だから
努力されるのです。

こんなレッスン方式を取り出してから
その人それぞれに対しての伝え方を変えています。

これが客観的に目標を明確にさせるコーチの在り方だと思っています。

また、短期集中で上達してもらうためには、必要十分条件なのです。

出典: ゴルフパートナー(http://www.golfpartner.co.jp